さぁ何度目になるだろうか
久しく更新してなかった
ベイトフィネスについて書いていこうと思う。
前回(半年ぐらい前か?)
ベイトフィネスについてほぼ確立した
とか言ってたが
私はさらに上の次元へと到達した。
というか使い込んでいくことでしかわからないモノというのが
使い込んだ事によって見えてきたというべきだろうか。
前までは正しいと思っていたことが
それは一つの正解ではあるかもしれないが
決してベストと言うべき事ではないのかもしれない
などと思うようになってきて
改めて筆を取った次第だ。
ベイトフィネス
それはあまりに新しく、新進気鋭の技術。
それゆえに個々人によってスタイルがあまりにも違う事は
語るに及ばずといった所か。
ここで解説するは
あくまでも私の考える最強のベイトフィネス()であることを覚えておいて欲しい。
さて
いつか言ったかもしれないが
私の中でベイトフィネスと言うのは
ウルトラライトフリップだと言い換えても良い
と言うのは今なお変わっていない。
元々ML前後のパワーレシオの竿に
10lb~14lbぐらいのライン
1/16oz~1/8ozのシンカーを用いたリグで
フリッピングするスタイルというのは昔っからあった。
それを時代の進歩、道具の進化によって
元来フリッピングというキャスティングでしか使い物にならなかったセッティングが
ピッチングやサイドハンドなどのリールの性能を必要とするキャスティングも可能になってきた
というのが私の考える正当かつ最強のベイトフィネススタイルの1つだと思ってる。
つまりベイトフィネスは
ウルトラライトフリップであり、昔ながらのライトフリップよりも
さらに遠距離戦での性能を爆発的に向上させた道具である
というのが私なりの答えなのだ。
それではスピニングと比べた時のベイトフィネスの利点を解説していこう。
1、キャスティング性
これはわざわざ解説する必要もないかもしれないが、キャスティング性能に関して言えばやはりベイトフィネスの方が優れていると思う。
特にピッチングやフリッピングなどの近距離戦用キャスティングにおいては
スピニングの比では無いと思ってる。
もちろんスピニングでベイトフィネスと同等レベルのピッチングはできないわけではないが
そのために求められる技量と言うのは想像を絶するレベルだ。
これはひとえにラインコントロールの仕組みによるところだろう。
このことについても依然どこかで言った記憶があるが
ベイトリールはサミングをすることによって連続的にブレーキを掛けることができるというのがあげられる。
つまり理論的に言えば、ミリ単位の調整だって不可能ではないのだ。
一方スピニングのフェザーリングは、断続的にブレーキを掛けることになる。
スプールの一部分に指をあて、ライン放出を一瞬止め・出し・また止める
と言う事の繰り返しになるわけだが
このスプール1巻き分の出しというのが特に近距離での精度に大きく影響するのだ。
バスで使われる2500番台のスピニングリールで言えば
スプール1巻きおおよそ10cm前後だろうか。
つまり
スピニングというのは10cm刻みでしかブレーキを調整できないのだ。
たった10cmと思うかそれとも10cmもと思うか。
もう言ってしまうが
近距離における10cmはあまりに大きい。
前後左右、そしてなにより上下。
いくらライトリグとはいえ全く着水音を出さずに水面に落す事は容易ではない。
しかし、ベイトフィネスはその難易度を劇的に下げてくれるのだ。
ベイトフィネスであれば、全くの無音で
まさに水面に置くようにルアーを投げ込む事が出来る。
簡単にできると言う事は、極限状態でもミスが少なくなると言う事だ。
ゆえになぜトーナメントで使われることが多いのか、と言う部分になるのだろう。
私見ではあるが
着水音というのは実のところ絶対的な音量は関係ないと思っている。
それよりも鋭さのほうが注意すべきなのではないかというのが私の考えだ。
つまり
水面に置くようにして投げ込んだビッグベイトのドゥプンっていうような音と
水面に突き刺さるようにして投げ込んだライトリグのピシャっという音では
絶対的な音量は多分前者の方が大きい。
だが魚が驚いてしまう、警戒してしまう、そんな可能性が高いのは後者だと私は思ってる。
鋭さというのは、プラスになることもあるかもしれないが、また同時にマイナスになる可能性も孕んでいると思う。
柔らかい着水音というのは、プラスになることもないかもしれないが、マイナスになることもないだろう。
それなら、目指すべきは後者ではないだろうか。
そして話は戻るが
この柔らかい着水を容易く体現できるのが、ベイトリールでありベイトフィネスなんだと思う。
10cm刻みでしかブレーキ調整ができない(難しい)スピニングリールでは
どうしても鋭さを殺し切ることが難しいのだ。
ゆえに特に近距離戦(ピッチング)におけるキャスティング能力は
スピニングよりもベイトフィネスのほうが遥かに優れているといわざるを得ない。
2、手返し
これもわざわざ言う必要はないだろう。
スピニングのベイルアームを起す手間がない分ベイトリールの方が手返しが良いというのだ。
ベイルアームの起す手間もそうだが
私としては垂らしの長さを調整しやすいのもまた利点だと思う。
投げる前に垂らしの長さを調整してやることも多々あるわけだが
この調整がまたスピニングは細かくできないのだ。
理由は先にも言ったとおり
スピニングリールは指を引っ掛ける位置が1ヵ所なわけだから
調整幅もスプール1巻き分は取らねばならない。
垂らしの長さも10cm刻みでしか調整できないわけだ。
10cmも垂らしの長さが変わってしまったら上手い事気持ち良い長さに調整するのがなかなか難しい。
特にはドラグを手で滑らせながら垂らしの長さを調整したりする。
これは、時間にすれば数秒程度の手間だが
その手間がフラストレーションを溜めていくのだ。
その点ベイトリールはそれこそミリ単位で調整が出来る。
当然調整に掛かる時間も、コンマ数秒程度で済んでしまう。
この調整幅の広さが、結果的に莫大な手返しの良さに繋がっているのだと思う。
そこまで手返し重要かい?
と問われれば少し言葉に詰まるところもあるが
やはり投げたい時に投げられないストレスは計り知れないものがある
と、体感してる部分もあるので
私としては結構重要視してるのも事実だ。
3、シェイキング能力
実のところ言うと
シェイクによる操作性というのはスピニングもベイトもさして変わらないというのが私が最近感じた事なのだ。
前はスピニングのほうが細かいシェイキング動作とかでは上だと思っていたが
シェイクだけに限定すればスピニングでもベイトでも同レベル
というか、人間の限界レベルぐらいなら普通に応えてくれる。
なので、いわゆる誘い能力だけで言えば
ベイトフィネスもスピニングもそう大差ない(あまりに竿が違うとか糸が違うとかがなければの話だ)
つまりは、今まで誘い能力を優先する為にスピニングという選択肢を取っていた部分がもあるが
その必要性はかなり薄くなった、ということだ。
4、太い糸が使える
これも改めて言う必要はないかもしれない。
ベイトフィネスとはスピニングの代替ではない
スピニングでも扱えるような細い糸を使う利点は少ない
それよりもスピニングでは扱い辛い太さの糸を使うことが重要だ
というのは承知の事実だろう。
私もそうだし、かのベイトフィネス提唱者である沢村氏やあの大先生も共通の見解だと思う。
実際私も1回試してみた。
10lbフロロをベイトフィネス系のタックルに巻いてる時は
糸が細いなと感じてあんまり良い使い心地はしなかったのだ。
今でこそその基本クラスのラインでの使いどころもわかってきているが
その当時はもっと太い糸を使ってこそのベイトフィネスだと私は感じた。
しかし同じフロロ10lbを
今度はスピニングリールに巻いて使ってみるとどうだろうか?
もちろんリールのサイズや竿のサイズ、作りなど専用設計されていない分
タックル自体がベストバランス、などとと言う事はとてもできないが
それを抜きにしてもフロロ10lbを巻いたスピニングリールは
恐ろしく糸の太さを感じたものだ。
ライントラブルは……
まぁ気を使えばほぼ0には出来る。
だが気を使う分だけ手間である事は変わりないし、正直トラブルにならないように気を使ってる時はまともに釣りができてる範疇ではなくなってると思う。
また何より全くルアーが飛ばない。
バッドガイドにラインがぶつかりまくり、なおかつその抵抗が異常に大きくなっているせいだろう
多分飛距離は4割減だ。
総合的に考えると
超使い辛い。
8lbまでならスピニングでもそこそこ使える
10lbぐらいまでなら無理やり使おうと思えば使える。
ナイロンに変えれば、17lbくらいならスピニングでも無理やり使えるだろう。
だがベイトフィネスなら
10lbは細さすら感じる
ナイロンの17lbでも全然楽勝だ。
日本製のナイロン基準で言えば25lbぐらいあるような太さの
アメリカ製のナイロンライン17lbでも
快適とは言わないが余裕で扱えてる。
やはり、ベイトフィネスの太い糸に対する適応能力と言うのは
スピニングの比ではないのだ。
もちろんスピニングリールもサイズをでかくしてやったりすれば同程度の扱いやすさを得ることはできるだろうが
その時はもちろんタックル全体の重量が飛躍的に上昇してしまうというデメリットもある。
さらに言えば
細い糸によるベイトフィネスがいけないわけではない。
大事なのは同じバランスであれば
使える糸の幅、上限がスピニングよりも遥かに広いと言う事なのだ
軽いのに太い糸が使えるタックル。
それがベイトフィネスなのだ。
それでは逆にスピニングの利点は一体なんだろうか?
ここではあえて私の考える最強のベイトフィネス()と同程度のタックルバランス
つまり竿も同じような硬さ、ラインも同じような太さ素材、リグも同じような物で
ただベイトとスピニングの違いという点だけで考えた
いわゆるパワーフィネスとかパワースピニングといわれる類いのものと比べてみようと思う。
1、遠距離性能
ベイトフィネスが近距離戦に類い稀なる戦闘能力を発揮する一方で
パワーフィネスは遠距離戦に圧倒的に強いと言えよう。
というか、ベイトフィネスは近距離でこそその能力を遺憾なく発揮するのだが
その距離が遠くなれば遠くなるほど利点は薄くなってくると私は思ってる。
つまり、本来ベイトフィネス>パワーフィネスというバランスが
距離が離れてくるにつれてベイトフィネス=パワーフィネスという風に差がなくなっていく感じだ。
無論、パワーフィネスでの近距離戦、ベイトフィネスでの遠距離戦ができないわけではない。
もともとライトフリップタックルの遠距離戦能力を向上させたのがベイトフィネスである(と思ってる)がゆえに
ある程度の距離まではベイトフィネスでも扱える。
オールドタイプのライトフリップがせいぜい3~5m内での距離感で扱うのに対して
ベイトフィネスはその3倍以上、20mぐらいまではきっちり扱える。
それ以上になってくると、さすがにベイトフィネスの利便性は薄れてくる感じである。
勘違いしてはいけないのが
スピニングのほうが飛ぶよとかそういう話ではない。
つーか双方フロロの10lbとか使ってれば
多分飛ぶのはベイトフィネスの方だ。
遠投性能は別にスピニングのほうが特別高いわけではない。
あくまでも遠距離戦がスピニングのほうが優位だと言ってるのだ。
2、バーチカル能力
スピニングの圧倒的利点の1つがこのバーチカル能力だと私は思う。
つまりは、縦型の釣りと言う事だ。
魚探を用いたスナイピングはもちろん、キャスティング後のフォーリングなど
縦型の釣りが必要となるシチュエーションは意外と多い。
この縦型の釣りでは
糸を引っ張らない限りはラインが放出しないベイトリールと
ラインの重さだけでも簡単に糸が放出してくれるスピニングとでは
まるで余裕が違うのだ。
例えるならば
回転式ボルトアクションライフルと、ストレートプルボルトアクションライフルの装填速度の違い・余裕
みたいな感じだろうか(分かるかな?)
これももちろん、ベイトフィネスだからフォーリングができないとかはない。
しかし、ベイトフィネスタックルできっちり真っ直ぐルアーを落す為には
手でラインを引きだすような行為が必要不可欠となる。
これ自体が決して手返しがいいとは言えないし
仮にクラッチオフだけで糸が出て行ってくれるほどの超回転のいいスプールを搭載したリールを用いればいいのではと言われたとしても
そんなタックルは一体どれだけのお金を積めば良いのか想像に難くない。
スピニングなら半分以下の値段で同等以上の性能を引き出すことが出来る。
きっちり落としてやる
これはもう比べるべくもなくスピニングだ。
3、操作性
操作性に関してもやはりスピニングのほうが上だ。
先にシェイキング能力に関してはベイトフィネスもスピニングも大差ないと書いたが
操作性と言うのはシェイキングだけに限らず、釣り全般におけるものに関係してくる。
そしてその操作性が向上する要素は1つ2つではない。
シェイキング能力はもちろん、他にも感度やスラックの出し易さ、糸の出し易さ、巻取りの速さ、使える糸の太さなど
操作性に影響する要素は多岐にわたる。
シェイクするだけなら別にベイトフィネスでもいい。
でも例えばミドストをするなら、ウィードの面をシェイクして泳がしてきてエッジできっちり落すには、カバーを舐めるように浮かせながらかわすには
スピニングならではの操作性の高さが必要となってくるのだ。
言ってしまえば
スピニングのほうが操作の幅が広い。
ベイトフィネス(ベイトタックル)だと、シェイキングかもしくはボトムバンピングのような
例えるならば『何かに接触させながら動かす』タイプの釣りならきっちりこなせるが
それ以外の中層や表層でのシェイキング、フォーリング、高度かつ高精度のリーリング、インビジブルなカバーに対する感度、狙ったところに落せる能力など
特に『何にも接触させない、かすらせる』系統の釣りにはもう圧倒的にスピニングだ。
これもスピニングが持つ操作性の幅、操作性の高さがもたらす絶対的能力だと私は思う。
4、細い糸が使える
これはパワーフィネスというよりは普通のスピニングの利点ではあるが
ベイトは太い糸が使える一方で細い糸に対する適応能力は高くない。
やはりベイトリールは糸に負担が掛かりやすい、スプールに食い込みやすいなどの構造的特徴から
細い糸は決して使い易いとは言えないのだ。
スピニングはまさに逆。
太い糸に対する適応能力は高くないが
細い糸に対する適応能力がベイトリールの比ではない。
ベイトリールでは3号以下、12lbより細いラインを使うとかなり気を使わねばならなくなり
7lbや8lbになってくると糸の細さに不安が募ってくるだろう。
竿を柔らかくしたりドラグを滑らしたり
そういったことをしても、ベイトリール特有のダイレクト感は
スピニングを使ってる時の安心感に比べると恐怖すら感じるかもしれない。
しかしスピニングならばさらに細い糸
それこそ3lb4lbクラスまでなんら不自由なく扱える事ができるはずだ。
これこそが、スピニングの最大の利点とも言える。
これが顕著に出てくるのが
PEラインとかだろう。
PEラインを使おうと思えば、絶対的な強度を求めている時以外ならば細い番手が欲しくなるのが通例だと思う。
しかし番手が細くなればなるほど、ベイトリールでは扱い辛くなる。
1号という太さでありながら今や16lbを越える強度を持つPEライン。
パワーフィネス、パワースピンを扱う際にもお世話になるだろうPEラインは
スピニングとの相性が良いというのは自明の理だ。
ま、こんな感じ。
次
んじゃベイトフィネスで使うべき、使い易いルアー・リグはなんなのか?
というのを解説していこう。
これもあくまでも私見である。
ベイトフィネスでとっても使い易いルアーは
もうぶっちぎりでスモールラバージグだと思う。
理由としてはベイトフィネス自体がそもそも
カバーに投げ入れていく事が前提になりやすいという点と
シェイキング能力だけで言えばかなりのレベルである点
何かに接触させながらの釣りならきっちり扱える点
から
スモラバの持つ投げ易さはカバーに入れやすく
モデルによってはカバーすり抜け性能もなかなか高い。
かつカバーに入れる(接触させる)ならばベイトフィネスでもきっちり扱え
シェイキングによる細かいアクションも
極めて細いラバーが1本1本きっちり動いてくれるなど
もうまさにベイトフィネス=スモラバと言ってもいいかもしれない。
前はベイトフィネス=ネコリグとか言ってたような……
重さも基本的には軽すぎる物である必要は無い。
2g以上、場合によっては
『それってスモラバって言うの?』って言われるような7g以上のウエイトを持つスモラバも活用していくといいだろう。
しっかり底が取れる、カバーの接触感が得られることが大事だ。
そして何より、投げやすいというのが一番重要である。
浮かせるわけではないし、浮かせるならスピニングに任せたほうがいい。
次に使い易いのは
ダウンショットのキャスティングだ。
バーチカルは除外である。
ダウンショットはシンカーとワームが離れてるせいで
キャスタビリティがあまりよくない。
特に、スピニングのフェザーリングのように断続的にブレーキをかけてしまうと
ワームを支点にして空中でシンカーがぐるぐる回ってしまいまともに投げられない事も良くある。
オフショアの釣りならば大して欠点とはならないが(だからキャロとかは別にスピニングでも良いと思う)
ダウンショットは意外とバンクのカバーを撃っていくのにも適してる物だ。
これは依然にも書いた
と思う。
もちろんセッティングは相応の強度を持ったモノである必要はあるが。
だがキャスタビリティは先にも書いたとおり良くはない。
だからこそ、パワーフィネス等ではなくてベイトフィネスなのだ。
ベイトなら連続的にブレーキをかけ続けられるために
シンカーの回転を完全に抑えることができるのだ。
ダウンショットを精度高く投げていくには
もうこれはベイトフィネス以外は無理だとすら思ってる。
こればっかりは、例え遠距離であろうとベイトフィネスが優れているだろう。
もっとも、そんなにロングキャストするなら精度なんてないようなものだろうが。
誘うことよりも入れることを念頭に置くならば
テキサスリグ、ベイトフィネス的に言えばライトテキサスだろうか。
これもどちらかといえばベイトフィネス向きだ。
なによりもカバーに入れることを主とするわけだから
ベイトフィネスのキャスタビリティが活きてくる。
ジグヘッドも個人的にはベイトフィネス向きだと思ってる。
もっとも使い方はボトム限定だが。
いわゆるフットボールの軽量版、アメリカ的に言うシェイキーヘッドとかもだろうか?
あの辺はベイトフィネスでもきっちり扱えると思う。
もちろん縦型の釣りが多くなるならスピニングの出番ではあるが。
逆にスピニングの利点が強く活かされてくるのが
ネコリグ、ワッキー、ジグヘッドワッキーのような
浮いて操作できる、浮いてかわす系リグだろう。
散々使ってみたがネコリグはスピニングのほうがその特性を活かし易いと最近は思う。
これはカバーの有無関係なくだ。
例外的にベイトフィネスでそこそこ遠投して
かつ出来るだけ真っ直ぐ落したいという時はネコリグも有りだと思う。
スモラバとかだとかなりカーブフォールしやすい為、限定されたシチュエーションにはなるだろうが
そういったときはネコリグもベイトフィネスで扱い易いと思う。
まだ中層でのジグヘッド、いわゆるミドストもスピニングのほうが絶対良い。
糸を張らない釣りでありながらも中層を漂わせる為にはある程度の操作性と感度が必要不可欠となる釣りなため
ベイトフィネスだとやりきることは難しい。
ベイトフィネスだとスラックが出しにくいしなにより感度が悪くて引っ張りすぎてしまう可能性が高いのだ。
また、虫系のような使うルアー自体が超軽量(+体積は比較的大きめ)なモノを扱う時もやはりスピニングだ。
ベイトフィネスが如何に進化しようとも
現段階で2g以下のルアーをきっちり投げられる物は存在しないと思っていい。
また仮に2gあったとしても、虫系ワームのように空気抵抗も大きいタイプのルアーは
決して投げ易いとは言えないだろう。
無理せずスピニングを使い、カバー絡みならばパワーフィネスを投入したほうが賢い選択だ。
スモラバも浮かせて使うならスピニングのほうが使い易いかもしれない。
ベイトフィネスが最も活きるシチュエーションは
今までの特性から考えても
近距離で
浅いところにある
カバーの中
ということになると思う。
逆に考えると
遠距離で
深いところにある
カバー周辺
ならばスピニングの領域だと思ってる。
特にベイトフィネスが有効に活用できるのは
多分野池や水郷水系みたいな足場の整備されたフィールドのオカッパリ
だと思う。
理由としては双方近距離にカバーがあることが多いからだ。
オカッパリからだとどうしても遠投することを主に置く人が多いかもしれないが
オカッパリにおける遠距離戦、近距離戦の割合はだいたい半々くらいだと思う。
もともとバスはシャローフィッシュでありカバーフィッシュなのだから
沖にぶん投げるよりも足元のカバーにきっちり投げ込んでやったほうが釣れることも少なくない。
もちろん季節にもよるが。
沖はボートに任せておけば良い。
オカッパリは岸のカバーを撃ってこそだろう。
皿池や秋みたいにどうしても魚が沖に出るようなシチュエーションでない限りは
オカッパリでも、いやオカッパリだからこその近距離戦を武器にするといいかもしれない。
ボートのベイトフィネスとオカッパリのベイトフィネスの最大の違いは
ボートは魚を掛けてから寄っていけるのに対して
オカッパリはカバーから魚を引き摺りだす必要性が必ずあるという点だ。
その為オカッパリのベイトフィネス
いや、私の考えるベイトフィネスのあるべき姿とは
ML~MHクラスのしっかりとしたロッドと
12~16lbクラスのベイトフィネスとしても太いと言われるライン
そんなタックルでもキッチリ扱う事のできる
総重量5g以上あるようなルアー(スモラバならジグ+トレーラー=5g以上ということ)
であると思ってる。
魚をカバーから引き摺りだすことの出来るセッティングが何よりも大事だ。
操作性はスピニング&オープンウォーターに任せておけば良い。
カバーの釣りで大事なのは
1に入れること
2に引き摺りだせること
であって
誘い能力とかそこまで重視するような事ではない。
これはガチフリップでもベイトフィネスでも変わらないことだと思う。
違うのは、入れる物の強さと大きさだ。
なら逆に
UL~Lクラスの竿に6lbとか7lbとかを巻いた
いわゆる世間一般で言う基本のベイトフィネスタックルというのは必要ないのか?
といわれれば
私の考える最強のベイトフィネス(上記)よりも使いどころは限られるだろうが
使いどころが全くないわけではないと思う。
そもそも基本とされる7lb前後のラインにLパワーロッドのベイトフィネス
むしろこのタックルのほうが私としては使いどころ少ない気がしないでもないが……
私の考える最強のベイトフィネス()の方が
カバーがあればどこでも撃っていけるぐらいの安心感はある。
カバーの全くないフィールドなんてあるわけないから
釣り場に行けばベイトフィネス場と言うのは無数にあるはずだ。
だが基本のベイトフィネスだと使いどころが薄いカバー限定やオープンウォーターになってしまうので
言わずもがな用途がライトなスピニングと被り始めてくる。
スピニングよりも優位になりえるシチュエーションでなければ
まさにファッションベイトフィネスだろう。
ベイトの方がかっこいいと思ってる人も多いだろうが
使いこなせるならばスピニングのほうが遥かにカッコイイというのは
某王様理論である。
通常のライトなスピニングよりも
ベイトフィネスというセッティングの方が有利になるオープンなエリア
それはやっぱりシャローで近距離となるだろう。
近距離の浅いオープンなエリアにいる魚を釣る
そんな時は基本のベイトフィネスは最高にいいと思う。
普通に考えれば
シャローの何もないところに魚はまずいないし
いたとしても接近する事すら難しいシチュエーションなのは間違いない。
しかしそういった限定的な状況に遭遇した時
どうしてもスピニングではやり切れないと感じる時はあるかもしれない。
サイトフィッシングとかはまさにそういう感じだろうか。
ラインの太さを気にするならばスピニングの優位性は揺るがないが
キャスタビリティや着水音のほうを気にするならスピニングよりもベイトフィネスだろう。
後は地形変化も少なくカバーも薄いような
水路系のフィールド。
ここをテンポ良く足元やほんの少しの変化をランガンしていったりする時は
基本のベイトフィネスがもたらす利点は大きいだろう。
水深もめちゃくちゃ深いところは少ないだろうから、スピニングでなければならないなんてことも少ないのではないだろうか。
せいぜい対岸の護岸際をキッチリ落したいという時だろう。
また同じオープンなエリアでも
ボトムにカバー各種がある場合。
特に良いのはブッシュパイルや沈み立ち木などの根がかりしやすいものよりも
ハードボトムやマンメイドみたいな
ルアーを浮かせさせすればかなり回避しやすい系統の場所
そういったところを狙うなら基本のベイトフィネスも使い易いと思う。
もちろん使い方はボトム接触系だ。
ライトラインだとラインが底に擦れることに対して気を使わねばならないところを
基本のベイトフィネスなら少しは安心感を得られるだろう。
もちろん同じスポットでも中層を攻める、浮かせる、表層付近を攻めるというのであれば
スピニングでも良いはずだ。
さらに例外的な使い方としては
ベイトフィネスによるライトプラッキングだ。
いわゆるシャッドやタイニークランクのような
本来スピニングで扱うような小型のプラグ類を巻いて使うなどの時には
基本のベイトフィネスタックルのようなセッティングが非常に活きる。
小さいルアーは太い糸を使ってしまうと動かない、潜らないなどの弊害が生じてしまう事も多いため
必然的に細い糸を使っていくほうが使い易いとなる。
スピニングでもいいのだが
あえてベイトフィネスタックルを使う理由としては糸よれだ。
スピニングはどうしても投げて巻くという回数が多くなればなるほど糸よれによるトラブルが多くなってしまう傾向にある。
ベイトリールであれば、理論上は糸ヨレは発生しない。
これはトラブルの減少にも繋がるし、糸の寿命にも影響するはずだ。
投げて巻くならベイトフィネスの方が快適には扱える。
逆風の中でも飛距離を出したいとか
感度優先とかであればスピニングタックルのほうが良いだろうが。
まぁこんな感じだろうか。
最後のほうは思いついたまま書いたので読み返してみると結構ごっちゃごちゃしてる印象を受けるが
ま、許して欲しい。
これが私の考えるベイトフィネスとスピニング、パワーフィネス
の終着点かなと。
これより先は無いと思う。
もちろん、今はそう感じてる、と言うだけの話ではあるが。
最後に
ベイトフィネスにおいては糸巻き量というのはシビアに考えなければならない問題だ。
もっと正確に言えば糸の重量だろう。
糸巻き量と糸の重さの計算を下に記そうと思う。
途中計算間違いがあるかもしれないがそこは暖かい目で見守って欲しい。
フロロ8lbがMAX50m巻けるベイトフィネスリールがあるとしよう。
ここではフロロの8lbと16lbを比べてみる。
フロロの8lbが50m巻けるリールでは
フロロの16lbは一体何m巻けるのだろうか?
フロロラインの太さはそれぞれ
8lb=0.259mm
16lb=0.360mm
だと言う事になっている。
糸の太さが製品によって変わってくることがあるので、使うラインの太さを確認しておくのがいいだろう。
カタログに8lb50mと書いてる場合は
標準直径として計算してる場合があるので
8lb=0.235mmの場合もある。
要確認だ。
さて、これから計算すると
0.259÷0.360=0.719444444444……
つまり8lbラインよりも16lbラインの巻き量は0.7194444倍になるということだ。
すなわち
50×0.7194444……≒35.972
16lbラインの巻き量は約35.975mと言う事になる。
次に一番重要なラインの重さについて計算してみよう。
ラインにはdtex(10000mあたりのラインの重さ/g)というものがあり
それがそれぞれ
フロロ8lb=dtex937
フロロ16lb=dtex1809
となっている。
これから計算すると
フロロ16lbの場合
1809÷10000=0.1809
0.1809×35.975=6.5078775
となり
フロロ16lbをMAXに巻いたラインの重量は
約6.5gとなる。
結構な重量になるのがお分かりいただけるだろうか?
ちなみにフロロ8lbの場合は
937÷10000=0.0937
0.0937×50=4.685g
となるので
4.685gがラインの重量となる。
同じ糸巻き量MAXまで巻ききったとしても
細いラインのほうが重量が軽くなるのはベイトフィネスにおいて無視できる問題ではないだろう。